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映画「ダージリン急行」感想と解釈

自分ではなかなか手を出さない系映画でしたが、面白かったので2度見ました。

 

ダージリン急行

 

 

3兄弟がインドで列車の旅する。

 

グランドブタペストホテルの演出というか見せ方がすごく良かったので同じ監督のこの作品を見ました。

 

この監督の面白いところはシリアスだったり重い話をコミカルにテンポよく映すところです。

「しゃべる」→「カメラが動く」→「しゃべる」

みたいな感じで。

周りを気にせず、文化に飛び込み、受け入れる軽さも見ていて気持ちがいい。

 

それと兄弟としてのジレンマを見事に描いている。

他人ではない、どうしようもなく繋がってしまっている。

理解や尊重を超えた存在、良くも悪くも。

 

 ここからはネタバレ!です。

 

トーリー

 

この旅を計画した長男の真の目的は”父の葬儀に来なかった母親に会いに行くこと”。

そして連れて帰ること。

情報によるとインドの山奥で尼さんになったという母。

でもその母親に会いに行こうと言っても他の兄弟は来ないだろうから長男は嘘をついて兄弟を呼び寄せる。

父の葬儀以降疎遠になっていた兄弟の「絆」を深めるスピリチュアルな旅をしようと。

彼らは父が生前使っていたトランクを持ち歩いている。

次男は父のメガネや鍵やひげそりまで持っている。

トランクはいくつもあって、全てに父のイニシャルが刻まれている。

特注品の旅行トランクなのだろう。

それをどこに行くにも、持って行く。

 

旅の途中でいろんなことが起こる。

列車が迷子になったり。(線路の上を走ってるのに?!)

川で溺れている少年を助けようと思ったら手遅れで葬儀に参列したり。

 

そして、トラブルが続く3兄弟は列車を下ろされてしまう。

何もない田舎に3兄弟と大きなトランク。

火を囲んであーでもないこーでもない。

 

そして、とうとう母親を見つける。

そこで3兄弟は問う。

 

「なぜ父の葬儀に来なかったの?」

 

すると母はこう言った。

 

「行きたくなかったからよ」

「これは乗り越えられない試練だけど、もう終わったの、過去の出来事なの」と。

納得できない3兄弟に向かって母は顔で語りかける。

 

翌日。

それぞれの居場所へ帰ろうと駅へ急ぐ。

走り出す電車。

駅員に荷物を運ぶのを手伝ってもらい全力疾走する。

しかし、荷物が多くて間に合いそうにないと悟った長男が言った。

「お父さんのバッグは間に合わなそうだ!」

 

3兄弟は父の特注トランクを放り投げ、走る。

なんとか電車に乗り振り返るとホームには散らばったトランクと荷物を持った駅員が立ち尽くす。

 

 

解釈

 

つまり、トランクが象徴する大きくて多くの荷物は”父”そのものだ。

3兄弟はいつまでも父を引きずり背負い、持ち運んでいる。

でも母は違った。

父が亡くなったと知るなり葬儀にも出ずに遠くへ行ってしまう。

父を引きずるのではなく、新天地へすぐさま走り出した。

前を向いた、というべきか。

それも父と向き合うためなのだろう。

 

だから最後、トランクを手放して走る3兄弟は笑顔だった。

 

 

 

父の死というテーマをここまで見事に、しかも軽々しく描いた監督に脱帽です。

ちなみに2回目はそのことを踏まえてみるとさらに面白いし、一緒に入ってるショートフィルムを見てから見てもまた面白い。

ナタリーポートマンの無駄遣い感とか。

いい映画です。

 

 

最後に

僕の好きなシーンは電車を下ろされた3兄弟の末っ子がライム娘とする会話だ。

さよならの会話なのに予感が含まれている。

 

 

同じ監督のほかの作品

 

この監督にはまるとしばらく同じ監督のしか受け付けなくなる。

でも、出演者がいつも同じだったりするので頭がこんがらがったりする。

すごくおすすめです。